願隨寺はもとは長岡藩領北村(現長岡市喜多町)にありました。それが享保十八年(1773)、現在の新潟市中央区元祝町に移転しました。
安政六年(1859)、新潟港開港の際には願隨寺は外国船の迎接所となりました。開港の際に新潟の海岸近くは大きな建物が少なく、海外の使節団を接待することを目的として願隨寺が選ばれたと言われております。願隨寺は初期の新潟の外交の玄関口としての役目を果たしました。
初代の本堂は明治十三年(1880)の新潟大火により本堂を焼失し、その後明治二十二年(1889)に2代目本堂が完成しました。昭和三十九年(1964)の新潟地震で壊滅的な被害を受け、現在の3代目の本堂を平成八年(1996)に新築いたしました。
願隨寺は新潟市の海岸近くの下町と呼ばれる場所にあります。この地域は漁師や職人などさまざまな職業の人が集まり町となっていった歴史もあり、当時の人々の暮らしぶりがわかるような建物や通りが点在しております。湊町の風情が漂う下町にお越しの際はぜひお参りしにお越しください。